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技術的な解説

CGRファイルとは?

CGRファイルには、CATIA V5モデルのグラフィカル表現が格納されます。モデルの完全な編集可能CAD定義を含まないため、CATPartファイルやCATProductファイルとは異なります。

その代わり、CGRにはモデルの可視ジオメトリをテッセレーションした近似データが保存されます。つまり、モデルは正確なB-Repサーフェス、解析エッジ、NURBSジオメトリとしてではなく、多数の三角形ファセットによって表現されます。

そのため、完全な設計データを開かずにCATIAモデルを表示、読み込み、確認、共有する必要がある場合にCGRが役立ちます。これは、すべての正確なパーツモデルを読み込むと処理負荷が高くなる大規模アセンブリのワークフローにおいて特に重要です。

CGRが保存する内容

CGRファイルには通常、モデルを効率的に表示するために必要な情報が格納されています。これには、テッセレーションされたジオメトリや視覚属性のほか、ファイルの生成方法や使用するワークフローによっては、限定的な構造情報や注釈情報が含まれる場合があります。

一般的なCGRデータには、以下のようなものがあります。

データ型 説明
テッセレーションされたメッシュ モデルの可視面を近似する三角形ファセット
視覚属性 色、表示プロパティ、マテリアルなどの可視化に関連する情報
限定的な構造情報 アセンブリレベルのCGRワークフローで利用される、簡略化された製品構造情報
レビュー用の情報 ワークフローによっては、可視化やレビューに利用される限定的な注釈情報などが関連付けられる場合がある

重要な点は、CGRが可視化を主目的とした表現であるということです。CGRは、完全な設計編集ではなく、表示やレビューに適した軽量データとして使用されます。

CGRが保存しない情報

スタンドアロンのCGRファイルには、ネイティブのCATIA設計ファイルと同じ情報は含まれていません。一般的に、以下のような情報は保持されません。

  • 正確なB-Repジオメトリ
  • NURBSサーフェスや正確な解析エッジ
  • パラメトリックなフィーチャ履歴
  • 構築ツリー
  • 編集可能な拘束
  • 完全な設計意図
  • 完全な製造メタデータ
  • 複数の仕様ツリーレベルにわたる完全なアセンブリ関係

この区別が重要なのは、CGRファイルは視覚的には正確に見えても、機械加工、詳細なシミュレーション、フィーチャレベルの編集など、正確なジオメトリを必要とするワークフローには適さない場合があるためです。

CGR、テッセレーション、B-Rep

CGRジオメトリはテッセレーションされています。テッセレーションとは、滑らかなCADジオメトリを三角形で構成されるメッシュに変換する処理です。一般に、三角形が細かく密になるほど、表示される形状は元のモデルにより近くなります。

ただし、テッセレーションでは元の正確なジオメトリそのものは保持されません。たとえば、CATPartファイル内の円筒面は数学的に真の円筒として定義されていても、CGRでは、その外観を近似する多数の平らなファセットによって表現されます。

この違いは、下流のワークフローにおいて重要です。CGRによる表現は、可視化、デジタルモックアップ、概略的な確認には適していますが、正確なB-Repジオメトリと同等のものとして扱うべきではありません。

CATIA V5における「可視化モード」と「設計モード」

CGRは、CATIA V5の可視化ワークフローと密接に関連しています。可視化モードでは、CATIAは軽量なCGR表現を使用してコンポーネントを表示できます。一方、設計モードでは、編集や正確なジオメトリ操作に必要な完全な設計データを読み込みます。

大規模なアセンブリを開いた場合、編集中ではないコンポーネントをCGRキャッシュデータから表示することで、すべてのCATPartや関連する設計データを直ちに読み込む必要がなくなります。その結果、メモリ使用量を抑え、読み込みパフォーマンスを向上させることができます。

つまり、可視化モードではパフォーマンスを優先し、設計モードでは編集可能な完全なCADモデルへのアクセスを優先します。

パーツレベルのCGRとアセンブリレベルのCGR

CGRは、CATIA V5ワークフローのさまざまなレベルで利用できます。

項目 パーツレベルのCGR アセンブリレベルのCGR
ソース CATPartなどのパーツから生成 CATProductなどのアセンブリから生成
主な目的 単一部品の高速な可視化 大規模な製品構造の軽量な確認
ジオメトリ 部品のテッセレーション表現 アセンブリのテッセレーション表現
構造 限定的 アセンブリ構造が簡略化またはフラット化される場合がある
メタデータ 限定的 限定的であり、完全なCATProductメタデータとは同等ではない
一般的な用途 部品の表示や軽量なデータ交換 デジタルモックアップ、設計レビュー、大規模アセンブリの可視化

アセンブリレベルのCGRはパフォーマンスの面で有用ですが、完全なCATProduct構造と混同してはなりません。CATIA仕様ツリーのすべてのレベルや、元のアセンブリに関連するすべての設計情報が保持されているとは限りません。

CGR、CATPart、CATProductの比較

CGRはCATPartやCATProductファイルと併用されることが多いですが、これら3つのフォーマットはそれぞれ異なる目的を持っています。

フォーマット 内容 編集可能か? B-Repジオメトリ 主な目的
CATPart 正確なパーツジオメトリ、フィーチャデータ、設計構造 はい はい 部品の設計および製造
CATProduct アセンブリ構造およびCATPartなどへの参照 はい 参照される部品を通じて利用 アセンブリ管理
CGR テッセレーションによる軽量なグラフィカル表現 いいえ いいえ(スタンドアロンのCGRファイルの場合) 可視化と共同作業

CATIAのワークフローでは、正確なジオメトリとキャッシュされた可視化データを組み合わせて利用することがあります。ただし、スタンドアロンのCGRファイルは、基本的にテッセレーションされた軽量なグラフィカル表現として扱う必要があります。

アプリケーション分野と業界での利用例

CGRファイルは、編集可能なモデル全体を読み込まずにCATIA V5のジオメトリへ迅速にアクセスする必要があるエンジニアリング環境で有用です。

設計レビューでは、CGRを使用することで、ユーザーは部品やアセンブリの外形を確認し、複雑なモデル内をナビゲートし、軽量な視覚的チェックを行うことができます。CGRを利用して概略的な測定、断面表示、干渉の確認などを行える場合がありますが、正確な検証が必要な場合は、ネイティブCADモデルやその他の正確なジオメトリ表現を使用する必要があります。

大規模アセンブリの管理では、CGRによって複雑な製品を開いて操作する際の処理負荷を軽減できます。航空宇宙、自動車、重機、産業機械のアセンブリには数千もの部品が含まれることがありますが、レビュー作業では、すべての正確なB-Repデータを一度に読み込む必要がない場合があります。

デジタルモックアップのワークフローでは、CGRを利用することで、編集可能なすべてのCATIAコンポーネントを読み込むことなく、製品全体を可視化できます。これにより、パッケージング検討、クリアランス確認、人間工学的レビュー、保守性チェック、各専門分野間の早期コラボレーションを支援できます。

サプライチェーンのコラボレーションでは、サプライヤー、顧客、社内の他部門が設計を確認する必要があるものの、完全なフィーチャ履歴や編集可能なCADデータを必要としない場合にCGRを利用できます。これにより、ファイルサイズを抑えながら、部品の外形を共有できます。

PLMおよびPDM環境では、CGRをCATIA製品構造に関連付けられた軽量な可視化データとして利用できます。これにより、ユーザーは完全なオーサリングモデルを開くことなく、コンポーネントをプレビューしたりレビューしたりできます。

可視化や下流のデータパイプラインでは、CGRは、CATIA由来のジオメトリを表示したり、プレビューを作成したり、軽量なコラボレーションワークフローを支援したりするアプリケーション向けに、メッシュベースの高速な表現を提供できます。

よくある課題と注意点

よくある間違いは、CGRを正確なCADジオメトリとして扱うことです。CGRファイルは元のCATIAモデルのように見える場合がありますが、正確なB-Repサーフェスではなく、テッセレーションされたファセットに基づいています。そのため、ワークフローで正確なジオメトリが別途読み込まれていない限り、CGRデータに対する測定、交差判定、ジオメトリチェックは近似的な結果として扱う必要があります。

もう1つの落とし穴は、CGRがCATPartのように編集できると想定してしまうことです。CGRには、設計変更に必要なパラメトリックなフィーチャツリー、拘束、構築履歴が保持されていません。CGRのみに依存したワークフローでは、元の設計意図の多くを利用できません。

完全なメタデータが保持されると想定することも問題になる場合があります。CGRの生成方法や交換方法によっては、部品番号、材料、リビジョン、PMI、アセンブリ拘束、製品構造などの情報が限定的であったり、利用できなかったりする場合があります。

バージョンのずれも問題の1つです。ソースとなるCATPartやCATProductが変更されたにもかかわらず、CGRキャッシュが更新されていない場合、可視化データが最新のモデルと一致しなくなる可能性があります。これにより、レビューや共同作業の際に不一致が生じる恐れがあります。

アセンブリレベルのCGRにも制限があります。製品構造が簡略化またはフラット化される場合があるため、完全なアセンブリ情報が必要なワークフローでは、完全なCATProductの代替として扱うべきではありません。

最後に、CGRは軽量化されたデータであってもモデルの外形を公開します。知的財産の保護が重要なワークフローでは、ネイティブモデルより共有する情報を減らす手段として利用できる場合がありますが、CGRを使用するだけでジオメトリの機密性が保証されるわけではありません。

Spatial が提供する価値

3D InterOpは、下流プロセスの要件に応じて、CATIA V5データを読み込み、エンジニアリングアプリケーション内で利用する必要があるCAD相互運用ワークフローをサポートします。

可視化を主目的とするワークフローでは、軽量な表現を利用することで、モデルの高速な読み込み、プレビュー、デジタルモックアップ、レビューなどを必要とするアプリケーションを構築できます。

一方、正確なジオメトリが必要なワークフローでは、テッセレーションされた近似表現だけでなく、CATIA V5の正確なB-Repジオメトリを扱うことが重要です。この違いは、製造、シミュレーションの前処理、モデル修復、精密なCAD変換などの用途で特に重要になります。

3D ACIS ModelerCGM ModelerなどのSpatialのモデリング技術も、CADデータのインポート後に堅牢なジオメトリ操作を必要とするアプリケーションをサポートします。一般的なワークフローでは、CATIA由来のデータを読み取り、チェック、修復、変換、可視化したり、下流のエンジニアリング用途に向けて準備したりすることがあります。

ソフトウェア開発者は、軽量なテッセレーション表現と正確なB-Repジオメトリを同一のものとして扱うことなく、CATIA V5データを、より広範なCAD、CAM、CAE、PLM、計測、ロボティクス、積層造形、可視化のパイプラインに統合できます。

その他のファイル形式

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シーメンス

オートデスク

工業規格

他のもの

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