川崎重工業株式会社様 開発事例
市場 : 重工業、ロボティクス、FA
概要
川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)は、産業用ロボットの導入を加速させるため、独自開発したプログラミング支援ソフトウェアneoROSETを展開しています。neoROSETは、直感的なUIと3Dグラフィックスを活用し、現場作業の中断を最小限にとどめながら迅速に検証が可能です。
その基盤を支えているのが、スペイシャルの高精度な3D形状処理(CGM Modeler)、正確なCADフォーマット変換(3DInterOp)、高品質な可視化(HOOPS Visualize)、そして効率的な開発を実現する開発フレームワーク(AGM)のSDK製品群です。
AGMの導入により、CADアプリケーション開発における幾何処理や可視化機能をゼロから自社開発するという制約から解放されました。従来のCADアドオン開発と比較して、AGMは自由度が高く、ロボットシステムの実装いった付加価値の高い業務により多くのリソースを集中できるようになり、生産性が向上したと感じています。
会社概要
川崎重工は、造船、鉄道車両、航空機、オートバイ、ガスタービン、ガスエンジン、産業プラント、油圧機器、ロボットなど、多岐にわたる事業を展開する総合エンジニアリング企業です。川崎重工は、国内外に100社以上の関連会社を持つ「テクノロジーエンタープライズグループ」を形成しています。技術の歴史は100年以上にわたり、最先端技術の集大成として、新しい価値を創造し、「先進技術で新しい価値を創造する」というコンセプトのもと、社会の発展に貢献しています。陸、海、空から遠く宇宙や深海まで、多岐にわたる製品を送り出しています。産業用ロボットにおいては、50年にわたり培った経験と実績があります。
neoROSETとは
neoROSETは産業用ロボットの導入を検討する全ての産業領域で、ものづくり自動化における適用検討およびロボットの教示作業を支援するソフトウェアです。
オフラインロボットプログラミングにおける数十年にわたる専門的知見をベースに、川崎重工はneoROSETで操作性とパフォーマンスを向上し、現場の稼働を中断することなくロボット実装の迅速な検証を実現しました。
この革新的なソフトウェアは、ワークフローを最適化し、労働時間を削減、製造施設やラインの設計と評価から継続的な運用とメンテナンスまでを含む、産業用ロボットを展開する全ライフサイクルにわたって品質を向上させます。
課題
川崎重工は航空機、船、車両製品などのものづくり工程に対し、早くから設計の3DCADデータを活用した産業用ロボットの導入よる自動化に取り組んで来ました。しかし複雑な3D形状で構成された製品に加工作業を指示するための教示作業に非常に時間がかかり、3DCADを元に教示作業を自動化する方法を模索していました。
3DCADデータの活用には正確なCADフォーマット変換が必要です。従来の製品(K-ROSET)においてはユーザー毎に多様な変換結果が得られるため、その調査にも時間がかかることが課題でした。
また、自動教示機能にて作成された加工教示点が、CADデータ上のどこに作成されているのか確認の可能な、高品質な可視化と精度が必要でした。
加えてシミュレーションおよびCAD教示の開発を両立するには、CADに関する高度な知識とノウハウが必要で、エンジニアの開発負荷が高い状態でした。
解決策
CGM Modelerで実現する高精度3Dモデリング
3DCADを元に教示作業を自動化するため、正確な形状表現が可能なCGM Modelerを採用しました。主に境界表現モデリングのソリューションの利用で、オフライン教示作業の効率が向上しました。
3D InterOpによる外部CADファイルの利活用
3DCADの活用に不可欠な正確なCADフォーマット変換には3DInterOpを採用しました。3DInterOpはCGM Modelerと統合されており、変換結果に関して統一したサポートを提供しています。これにより、データ変換に関するストレスフリーを実現し、開発効率が向上しました。
HOOPS Visualizeによる3D表示機能の高度化
自動教示機能にて作成された加工教示点が、CADデータ上のどこに作成されているのか正確に表示する高品質な可視化と精度の実現には、精密な形状と軽量な形状の両方を扱える柔軟性を持つ3DレンダリングエンジンであるHOOPS Visualizeを採用しました。これにより、大規模で複雑なモデルでも見やすく、スムーズな表現が可能になりました。
統合開発フレームワークAGMの活用
CADに関する高度な知識とノウハウを補い、エンジニアの開発負荷を軽減するために開発フレームワークAGMを採用することで、シミュレーションおよびCAD教示の開発を両立しました。
CADデータのシームレスな入出力、精密な3Dモデリング、可視化機能はneoROSETの競争力を高め、設計・検証の精度と効率が飛躍的に向上しました。
また、視覚的なプログラミングやシンプルなUIにより、ユーザーにとっては初心者でも扱いやすく、教育コストの削減にも貢献し、多様なCADフォーマットへの対応は、既存設計資産との連携のしやすさへとつながりました。
主なポイント
川崎重工は産業用ロボット導入を支援するソフトウェアneoROSETにおいて、スペイシャルの3D形状処理・CADデータ変換・可視化・開発フレームワークを活用し、開発期間の短縮を実現しました。
特にAGM導入の結果、川崎重工は幾何処理や可視化をゼロから開発する必要がなくなり、エンジニアの負荷や開発コストを削減しました。本来注力すべきロボットシステム導入に関する付加価値開発に集中できるようになり、生産性が向上しました。
スペイシャルの技術サポートやコンサルティングは高く評価されており、安心して開発を進められる体制が整っています。
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川崎重工業株式会社様よるスペイシャルSDK活用事例 - エンジニアリングの課題をいかに解決し、成果を上げたのか。そのプロセスとソリューションを詳しく解説します。
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