概要
The integration of Spatial’s Software スペイシャルのSDKで3D形状の処理基盤をJMAGに統合したことで、JSOLは開発期間を大幅に短縮しました。これらの機能はJMAGの価値を支える技術となっています。
スペイシャルSDKの最大の価値は、JMAG本来の価値を高める開発に注力できる体制を築けたことにあります。その結果、JMAGのシミュレーションエンジンは、処理性能において競合を大きく凌駕するレベルにまで進化しました。
会社概要
株式会社JSOLは、2006年に株式会社日本総合研究所から分社化されて設立され、2025年で創立20周年を迎えました。その前身は1969年に住友銀行から分離独立して設立された日本情報サービス株式会社であり、後に日本総合研究所として発展しました。2009年からはNTTデータとの共同出資体制のもと、ITとCAEの両分野で事業を展開しており、その代表的なソリューションの一つが、電磁界解析ソフトウェア「JMAG」です。
JMAGは、モータや変圧器などの電気機器設計において、設計者の直感と解析技術を融合させることで、開発期間の短縮と性能向上を実現。特にEVモータの高効率化が求められる自動車業界では、設計初期から製品化に至るまでの開発プロセス全体を強力に支援し、国内外の製造業から高い信頼を得ています。
電磁界解析ソフトウェア:JMAGとは
電磁界解析ソフトウェア JMAGは、電磁界解析を中心としたCAEソフトウェアで、モータやアクチュエータ、変圧器など多分野にまたがる電気機器の設計・最適化を支援します。
スペイシャルSDKを利用した内蔵の形状モデラ機能により、外部CADを使わずに2D/3D形状をJMAG内で直接作成・編集でき、パラメトリック設計や最適化にも柔軟に対応可能です。
また、DXF、STEP、IGESや各種CADデータのインポートに対応しており、既存の設計データをそのまま解析に活用できます。解析機能としては、静磁場、過渡応答、周波数応答、トポロジー最適化、熱・構造連成解析などを備え、現実的な動作環境を高精度に再現可能です。
さらに、効率マップやトルク波形などの出力機能、回路シミュレータとの連携(JMAG-RT)により、制御設計との統合も可能です。スクリプトやバッチ処理による自動化、分散処理による高速化にも対応し、設計から解析、最適化までを一貫して行えるのが特長です。
JMAGの競争優位性は、電磁界解析に特化した高精度な解析能力と、設計から最適化までを一貫して行える統合CAE環境にあります。JMAGは、処理速度・精度・柔軟性・拡張性のバランスに優れた解析環境を提供し、製品開発の競争力強化に貢献しています。
課題
3D形状処理の内製化には膨大なリソースが必要—コア技術開発への集中を阻む課題に
JMAGは、3D形状を扱うための開発工数をどこまで自社で負担するかという課題に直面しました。JMAGは電磁界解析に特化したCAEシミュレーションソフトウェアであり、3D CADによる設計が主流になる中で、3D モデリング機能の強化が不可欠でした。しかし、形状処理の基盤をすべて内製することは現実的ではなく、信頼性と拡張性を備えたサードパーティライブラリの導入は不可欠でした。
さらにJMAGのユーザーは、ユーザーごとに多種多様な3D CADソフトウェアを使用しており、異なるCADデータ形式を安定して取り込むために高精度なトランスレータが不可欠でした。また、各3D CADは毎年バージョンアップが行われるため、それに追随するため
の開発負荷も無視できません。(堅牢な3D CAD変換を行う3D InterOpの導入で柔軟かつ効率的に対応することが実現しました)
JMAGは2000年代初頭に、スペイシャルの3Dジオメトリエンジン 3D ACIS Modelerを採用しました。当時は3D CADとCAEの統合は一般的ではなく、電磁界解析では2D解析が主流でした。しかし、JMAGの開発
チームは、3Dモデルによる高精度なシミュレーションの必要性を早期に見越し、基盤づくりを始めていました。
3D モデルを CAE ワークフローで活用するために 3DACIS Modeler を活用する手法が定着するにつれ、設計向け CAD モデルと CAE に適したジオメトリとの間にある違いが、より一層明確になっていきました:
- 設計モデル では、実製品の形状を細部まで忠実に再現する
- CAEモデル では、解析結果に影響しない微細な形状を除外する必要がある(これらはシミュレーション時間やリソース消費の増大を招きます。これは3D ACISの「Defeaturing」機能によって実現されました)
このギャップは、特に設計と解析が別の部門で行われる場合、ユーザーにとって大きなハードルとなっていました。CAE用に形状を簡略化・変更するには、設計部門との煩雑なやり取りが必要になることが多かったのです 。
解決策
JMAGにおけるSDK統合—開発者とユーザー双方にメリット
JMAGの核となる強みは、電磁界解析に特化したシミュレーション技術にあります。複雑な3D形状を正確に扱うためには、信頼性の高いジオメトリエンジンが不可欠でした。JMAGでは、3D ACIS Modelerの堅牢なカーネル、 3D InterOpによる幅広い3D CAD形式の変換機能、そして HOOPS Visualize が提供する柔軟なスケーラビリティを活用することで、設計と解析を統合した環境を最適化しています。
スペイシャルSDKの導入によって、JMAGの開発チームは3D形状処理の基盤構築にかかる工数を大幅に削減し、本来の強みであるシミュレーション技術の開発に集中できるようになりました。
また、ユーザーにとっては、CADレス設計、トポロジー最適化、熱・構造連成解析、MATLAB/Simulink連携など、JMAG独自の価値を高める機能群の実現によって、設計期間の短縮、試作回数の削減、製品性能の向上といった実質的な効果を発揮しており、理想的な設計と解析の統合的環境が実現されています。
3D ACIS Modeler - JMAGで利用されている主な機能:
- Brep 構造データストラクチャ: 3D 形状の正確な定義と処理の基盤
- スイープ操作: 押し出し、回転などの形状作成処理
- ブーリアン演算: 和・差・交差
- フィレット作成: エッジの丸み処理
- インプリント機能:電磁界解析で不可欠な接触面の生成に重要。異なる部品間のメッシュ整合性の確保に貢献
3D InterOp within JMAG provides the following functionality:
- 多種多様な3D CADフォーマットを常時最新のバージョンで高精度にインポート
- PersistentID: CAEシミュレーションでは膨大な数の形状パターンで設計検討が行われます。異なる形状ごとにCAEで必要な設定を施すことは現実的ではありません。InterOpから取得できるPersistentIDを活用すればCAEの設定を再利用することができ、設計検討の手数を大幅に削減することができます。
- シーングラフ:HOOPSの描画データストラクチャにより、複雑なモデル構造の選択/表示/非表示などのインタラクティブな操作や管理が容易
- 描画エンジン:OpenGLやDirectXなど複数の描画エンジンの切り替えが容易。グラフィックカードの多様性に柔軟対応、安定した描画環境を実現。
HOOPS Visualizeが導入された当時は、グラフィックカードは多くのメーカーから多種多様な製品が提供されており、ドライバの更新も頻繁に行われていました。このような変化の激しい環境下で、描画エンジンを独自に開発・維持することは非常に困難でした。
そこでJMAGは、描画処理にHOOPS Visualizeという共通化されたレイヤーを採用。これにより、各種グラフィックカードとの互換性を確保し、ドライバの不具合による影響を最小限に抑えることが可能となりました。
3D ACIS Defeaturing functions within JMAG include:
- フィレット除去
- 穴の除去
- CADに戻らず(設計部門に依頼することなく)、CAEに必要な形状変更が容易にできるようになった点(解析結果に影響しない微細な形状を除外する)がDefeaturingの大きなメリット
ACIS, InterOp, HOOPS Visualize の導入により、JMAG は3D 形状処理の基盤開発にかかる工数を大幅に削減し、本来の強みであるシミュレーション技術の開発に集中できるようになりました。これによって高精度な3D電磁界解析の実現、外部CADに依存しないシミュレーション環境の構築、モデリングから解析までの一貫したワークフロー、複雑な形状でも安定したメッシュ生成と解析精度の確保などの重要な成果
を実現しました。
3D ACIS Modeler、3D InterOp、HOOPS Visualizeの導入によって以下の重要な成果を実現しました。
- 高精度な3D電磁界解析の実現
- 外部CADに依存しないシミュレーション環境の構築
- モデリングから解析までの一貫したワークフロー
- 複雑な形状でも安定したメッシュ生成と解析精度の確保
主なポイント
3D形状処理SDKをワンストップで提供─JMAG開発を最大10年短縮
スペイシャルは、3D形状処理に必要なSDKをワンストップで提供しており、これによりJMAGの開発効率が向上し、社内開発した場合と比較すると開発期間を約5~10年短縮に及ぶと評価をいただきました。また、SDKを通じて実現した多様な機能がJMAGの価値を支える重要な要素となっています。
開発の成功を支える日本拠点の技術支援と導入後の継続的支援
日本人技術者が窓口を担当することで、時差の影響を受けることなくスムーズなコミュニケーションが実現します。
対面での打ち合わせや国内の専用サポート体制により、導入後も安心して継続的な支援を得られる点は大きなメリットです。
JMAGの未来を切り拓く、基盤技術3D SDKの力
JMAGの今後の製品開発では、CADの形状情報だけでなく、寸法拘束や各種フィーチャパラメータといった設計情報も取り込むことで、シミュレーションを活用した設計プロセスの加速を目指しています。さらにJMAGで得られた設計案をCAD側へシームレスにフィードバックすることで、電気機器設計から製造までの工程をより効率的に進める方針で、今後も技術的な課題解決に対するスペイシャルの支援に期待を頂いています。
ケーススタディの全文をダウンロード
JMAGがSpatialのSDKを使用してどのようにエンジニアリングの課題に取り組んだかをご覧ください。ケーススタディをダウンロードして、アプローチ、ソリューション、成果をご覧ください。
もっと読む 空間ケーススタディ
当社の業界をリードするSDKが、さまざまな業種の無数のビジネスをどのように支援してきたかをご覧ください。以下の
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