3Dモデリング
私たちは、ACISと共にジオメトリ・カーネルの開発のパイオニアであることを誇りに思っています。現在では、お客様の3Dジオメトリ表現のニーズをサポートするソリューションを提供しています。連続B-Repモデラー、離散B-Repモデラーを問わず、お客様のアプリケーション固有のニーズに対応するソリューションをご用意しています。
もっと読むSTLファイルの修復とは、メッシュに生じた不具合を修正し、モデルを確実にインポート、スライス、製造できる状態にすることです。STLは正確なCADジオメトリではなく、三角形のメッシュとして形状を保存するため、穴や接続不良、三角形の重複などの問題によって、画面上では正常に見えても、その後の工程で問題が発生する場合があります。
3Dアプリケーションでは、こうしたエラーがエッジのずれ、穴、浮いたパーツ、元の設計と一致しないジオメトリなどとして現れます。そのため、開発者がSTLの修復機能を実装する際には、自動修復、シェルの分離、穴埋め、重複の解消、重複面の削除、エッジのステッチ、三角形の編集、リメッシュ、修復済みデータの再出力など、一連の修復ワークフローが必要になります。
3D InterOpの利用で、エンジニアリングソフトウェア開発者は、アプリケーション内で30種類以上のCADフォーマットを読み書きできます
STLファイルは、三角形メッシュが正常かつ明確なサーフェスを構成できていない場合に、修復が必要になります。代表的な不具合には、境界エッジや穴、面同士の交差、ノンマニフォールドエッジ、浮いたシェルや分離したシェル、二重面、法線の不整合などがあります。これらの問題があると、正確なスライス、編集、ブール演算、メッシュ解析などができなくなる可能性があります。
3Dプリント用STLについての実用的な目安は、閉じた体積を定義できるメッシュであることです。その判断基準の一つがマニフォールド性です。正常な3Dプリント用メッシュでは、各エッジがちょうど2つの面に接続されている必要があります。この条件が崩れると、ソフトウェアはモデルの内側と外側を正しく判断できず、正しいツールパスを生成することも難しくなります。
STLは意図的にシンプルなフォーマットとして設計されています。単一オブジェクトの表面を三角形で表現する一方、正確な解析サーフェス、フィーチャ、アセンブリ構造といった、より高度なモデル情報は保持しません。このシンプルさによってSTLは幅広く利用されていますが、その一方で、データの品質はエクスポート設定やメッシュの有効性に大きく左右されます。粗いテッセレーションやインポート時のデータ破損によって、見た目には問題がなくても、構造的には信頼できないSTLファイルが生成されることがあります。
SpatialのSTLヒーリングに関するブログ記事でも説明しているように、モデルの三角形分割は、製造ではなく表示を目的として生成されている場合、画面上では正常に見えることがあります。グラフィックスカードはメッシュが水密(watertight)か、法線が一貫しているかを問題にしませんが、スライサーはこれらを必要とします。
実用的なSTL修復では、通常、自動的な解析・修復から始め、その後、必要に応じて個別の問題を修正します。一般的な手順には、シェルの分離、穴や隙間の修復、重複や自己交差の解消、重複・空のジオメトリの削除、開いたエッジのステッチ、三角形の作成・削除、リメッシュ、修復済みメッシュの再出力などがあります。
すべての問題を同じ方法で修復できるわけではありません。小さな穴であれば自動的に埋められる場合がありますが、大きく欠損した領域では、より慎重な形状再構築が必要になることがあります。また、分離したシェルが、あるモデルでは意図的な構造であり、別のモデルではエラーである場合もあります。優れた修復処理には、自動化だけでなく、設計意図を確認する工程も重要です。
多くの場合、STLを直接修復するよりも、元のCADモデルを修正してから再度STLとしてエクスポートするほうが適切です。特に、交差するボディ、厚みのないフィーチャ、テッセレーション前に発生した曖昧なトポロジーなどが原因で問題が発生している場合は、元のCADモデルを修正することが重要です。
修復ツールは非常に有用ですが、元の設計モデルの問題を補うためだけに使用するのではなく、交換データやスキャンデータなど、不完全なメッシュをクリーンアップする用途で特に効果を発揮します。
STLの修復が特に重要なのは、3Dプリンティングやラピッドプロトタイピングです。不完全なメッシュは、スライス処理の失敗、サーフェスの欠落、形状精度の低下、製造ジョブの拒否などにつながる可能性があります。
また、3Dアプリケーションの開発者にとっても、STL修復は重要です。不完全な三角形メッシュを受け入れ、後工程で利用可能な状態に変換する必要があるインポート処理、メッシュエディタ、プリント準備ツール、スキャンデータ処理などで活用できます。
エンジニアリングソフトウェアでは、STL修復をメッシュ解析、別フォーマットへの変換、その他のジオメトリ処理の前処理として利用することもできます。モデルをすぐに3Dプリントしない場合でも、適切に修復され、正しく接続されたメッシュであれば、検索、単純化、リメッシュ、再利用などの処理をより容易に行えます。
よくある間違いの一つは、モデルがビューア上で正しく見えるからといって、有効なデータだと判断してしまうことです。モデルが視覚的には完全に正常に見えても、3Dプリント可能なソリッドを正しく定義できていない場合があります。目視確認は有効ですが、それだけでは十分ではありません。
もう一つの注意点は、過剰な修復です。曲面上の小さな穴を自動的に埋めると、平坦なパッチで穴が塞がれ、本来の設計形状が変わってしまうことがあります。修復ツールは便利ですが、自動修復によって設計者が意図していなかった形状変更が発生する可能性があります。
また、ノンマニフォールド状態や交差するボディについても注意が必要です。一部のスライサーは不完全なファイルを処理できますが、その場合、ソフトウェアがメッシュの解釈方法を推測する必要があるため、結果が予測できないことがあります。この不確実性が、製造前にメッシュを修復したり、元のCADモデルを修正したりする必要がある理由です。
Spatialでは、CGM Polyhedraと3D InterOpという2つの製品を組み合わせることで、STLの修復に対応しています。CGM Polyhedraはメッシュレベルのヒーリングと編集を、3D InterOpはCADデータのインポート/エクスポートとB-repヒーリングを担当します。これらを組み合わせることで、破損したSTLファイルのインポートから、修復済みで製造に適したメッシュの出力まで、包括的なワークフローを構築できます。
CGM Polyhedraは、スライスや3Dプリントを妨げるメッシュの不具合を修正するための、ポリヘドラルヒーリング機能を提供します。
欠落した三角形によって生じた穴の修復
反転した三角形(不整合な法線)の修正
隣接する面間のクラックや隙間の閉鎖
ノンマニフォールド構造の修正
重複する三角形のクリーンアップ
不適切に交差する三角形のクリーンアップ
基本的な修復機能に加えて、CGM Polyhedraは、著しく損傷したモデルのメッシュ再構築にも対応します。たとえば、多数の不規則な穴があるスキャンデータのメッシュを、元の特徴を維持しながら連続したメッシュへ再構築し、後工程で利用できる状態にすることができます。
さらに、CGM PolyhedraはSTLモデル内の平面、円柱、円錐、トーラス、球などの解析曲面を認識し、それらの領域を正確なB-rep表現へ変換することもできます。これにより、テッセレーションによる近似形状よりも高い忠実度で、元の設計意図を維持できます。
そのほかにも、CGM Polyhedraでは、ステッチ、デシメーション(メッシュを制御して簡略化し、ファイルサイズを削減するとともにパフォーマンスを向上させる処理)、リメッシュ、ポリヘドラルボディのブール演算、分割、分離などの処理が可能です。
3D InterOpは、インポート/エクスポートの処理を担い、STLをはじめとする30種類以上のCAD、BIM、メッシュ、ビジュアライゼーションフォーマットの読み書きに対応します。これにより、アプリケーションはさまざまなソースからモデルを受け入れ、同一の修復ワークフローへ取り込むことができます。
B-repデータについては、3D InterOpがデータ変換時に自動ヒーリングを実行します。トポロジーの修復、ジオメトリの精密化、隙間の閉鎖などを行い、変換先のモデリングカーネルのルールに適合したソリッドモデルを生成します。
この組み合わせは、実際の開発現場でも大きなメリットをもたらします。世界有数のエンジニアリング・科学技術企業であるRenishaw社は、当社のSDKを積層造形ソフトウェアQuantAMに統合しました。これにより、STLを中心としたインポート処理から、CADフォーマットを直接インポートし、高品質なヒーリングをインポート時に適用するワークフローへ移行することができました。
Renishaw社のGroup Software DirectorであるStephen Anderson氏は、次のように述べています。
「Spatialとの協業により、STLファイルに対して高品質なヒーリングを実行できるだけでなく、さまざまなCADフォーマットを直接インポートできるようになりました。」
また、3D InterOpの選択的インポートAPIを利用すれば、アプリケーションに必要なデータだけを読み込むことができます。修復したデータはSTLやその他のメッシュ/CADフォーマットへ出力し、後工程で利用することも可能です。
3D InterOpは、20年以上にわたり、300社を超える企業で利用されています。
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